健康保険証とマイナンバーカードの一本化とんでもない!

岸田文雄首相は、10月24日の衆議院予算委員会で、2024年秋に健康保険証を廃止してマイナンバーカードに一本化する方針に関して、カードを取得しない人には、医療機関の窓口でいったん医療費の全額を支払わなければならない「資格証明書」ではない制度を用意すると述べました。

 政府はこの間、マイナンバーカードの普及を強力に推し進めていますが、7月末時点での交付状況は、全国で5815万1191枚。人口に対しては45.9%の普及率です(戸田市のマイナンバーカード取得状況は本年9月31日現在50.8%です。申請者数はこれ以上とのことですが、交付まで1ヶ月から2ヶ月待ちという状況であるとのことです)。これを年度末となる2023年3月末までに「ほぼ全員が取得」を目指すという目標を掲げ、8カ月で倍増させようという計画です。マイナンバーカードの取得は任意であり、国民が必要性を感じておらず、個人情報漏えいの危惧も強いので普及が進みません。6月30日からは、新規取得のほか健康保険証としての利用申し込み、公金受取口座登録などで、合計2万円分のポイントを付与するマイナポイント第2弾もスタートし、地方交付税の算定に自治体ごとのカードの交付率を反映させる考えも示しています。このために用意した予算は、マイナポイントだけでも1・8兆円。あの手この手を尽くしても思うように取得が増えていかないことから、強硬策に出ようとするもので、とんでもない人権侵害です。もともとマイナンバー制度は「行政運営の効率化及び行政分野におけるより公正な給付と負担の確保」(マイナンバー法第1条)を目的としています。社会保障の給付と税、保険料の負担を個人ごとにわかるようにし、給付を抑制して国の財政や大企業の負担を減らすことを狙っています。根本的に是非を問い直すべき制度です。