羽田増便・都市低空飛行は撤回を! 世界でも例のない降下角度の飛行公式

 2月23日、武蔵浦和コミュニティセンターで開かれた、さいたま市南区羽田空港増便問題を考える会の学習交流会に参加させて頂きました。「具体的事実から見る羽田空港新ルート計画」について、元JAL機長でジャンボ機の飛行時間が世界一長いという航空評論家杉江弘さんのお話しと羽田問題解決プロジェクト代表の大村極さんのお話を伺いました。

 1月30日から2月12日まで行われた確認飛行(試験飛行)を経験した市民から、「怖いような音」「こんなに低く飛ぶなんて恐ろしい」など心配の声が寄せられていました。東京都大田区では最高値85デシベルとなり、川崎市では94デシベルを記録しました。杉江さんは、騒音もさることながら、今回羽田新ルートでの降下角度3・5は、世界の大空港では例をみないものであり、ジェットコースターのような急角度で滑走路に進入しなければならない。世界中のパイロットの誰一人経験した事がないばかりか、誰に聞いてもごめんだと言う。かつて世界で最も危険だと言われた香港カイダック空港でさえ3.1度であり、事故後中止となったとの事。 世界中のパイロットの経験は3.0度であり、3.5度の降下角度で都心上空を飛ぶなどあり得ないと。尻もちをつくことは絶対にあり得る。落下物も必ずあると言い切りました。また、西側にある米軍横田基地への侵入を避けるために、東側から2ヵ所の地点で急旋回しなければならないという、世界でも例のない飛行方式の採用、長距離国際線の空港を郊外から都心へ再移転するという世界初の珍現象であると。これまで決められてきた国際線成田空港と羽田空港の棲み分け、2つの空港での増便計画や滑走路建設は、中長期的な空港政策として国会で議論を経て決定されてきたものが、新ルートは、国会での航空政策の論議もないまま政府主導で決まったこと等など、実際に最多の飛行経験を積んだ機長の話に、誰もが「なぜ、こんな無理なことを?」「ひどすぎる」との声があがりました。そこには、米国の圧力によるビジネス便の強化、横浜カジノ構想等の思惑が見え隠れするらしい。命よりお金、国民より企業・アメリカ優先の安倍内閣の根は深い。

 日本共産党国会議員団は2016年から、田村智子、山添拓参院議員が質問し問題を指摘してきました。戸田市議会においても全会派一致で「熟考を求める」意見書を上げてきましたが、実際の試験飛行を体験しての恐怖と学習ではっきりとした危険性を回避するため、関係自治体と協力し、改めて新ルート計画撤回求める運動を強化する考えです。

市議会議員 花井伸子