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「第49回市町村議会議員研修会in東京」2日目

 28日、「第49回市町村議会議員研修会in東京」の2日目、尾林芳匡弁護士による「『自治体戦略2040構想』と公共サービスの民営化」(選科B)の講演を聞きました。

 尾林先生は冒頭、総務省が私たち「団塊ジュニア」世代が高齢者となる2040年ころ以降の日本社会の自治体の行政体制のあり方を取りまとめ発表した「自治体戦略2040構想」に将来の自治体行政はどうあるべきと示されているかを説明し、特徴として「『行政改革』と新自由主義的『構造改革』の延長線上であり『集大成』」であるとし「人口減少を理由に、個々の地方自治体によるサービス供給を縮小し地域の任意団体にまかせ、あるいは地方自治体の機能を削減して『フルセット』でない自治体にし、広域化や都道府県が保管することで足りるようにするなど、ますます公共サービスの民営化と縮小に拍車をかけようとするものである」と指摘をしました。

 講演は他に、①自治体の公共サービスのアウトソーシングとして、公の仕事を民間が出来るようにするための法制化の流の流れ。②PFI法によって進めらてきた公共事業による事故とPFIの問題点。そして、いまだに政府が法改正を行いPFIを推し進めていること。③指定管理者制度において公共施設の運営・管理を指定管理者へと移行してきたことによる弊害と問題点。④地方独立行政法人の問題点。⑤特区の問題点。⑥保育や学童、図書館等の分野の公の仕事が民営化されてことによる問題点。⑦水道の民営化・広域化の問題点などを、全国の自治体の事例を紹介しながら解りやすく説明していただきました。

 尾林弁護士は、講演の最後に「地域住民の願いは公務・公共サービスの充実であり、そこには、5つの視点がある」とし、「①専門性・科学性。②人権保障と法令遵守。③実質的平等性。④民主性。⑤安定性」が必要であり「公共サービスは行政が責任を持って負うべき仕事である」と訴えました。

 今日の講演を聞いて、改めて「自治体職員は誰のために仕事をするのか」「公共施設とは何のために、そして誰のためにあるのか」を考えさせられ、市民の命とくらしを守るためにも、市民のみなさんと行政、当然、議会も一緒になって『公共サービス』とは何でありどうあるべきなのかを考えていかなくてならいし、市民を置き去りにし国言いなりで策定している計画はストップさせなくてはならないと改めて強く実感しました。