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被保険者間での保険税負担の調整による国保制度の安定・維持は出来ない

 2023年9月26日の9月議会最終日、日本共産党戸田市議団を代表し、令和4年度において国民健康保険税の均等割が5900円引き上げられた、戸田市国民健康保険特別会計決算に反対しました。共産党以外のすべての会派の議員は、同特別会計決算に賛成しました。反対討論の大要は以下の通りです。

 戸田市は令和4年度、約3万人の被保険者の国保税均等割りを5900円、総額約1億7700万円の値上げを行いました。

 国保税の度重なる値上げは、国が国保の財政を都道府県に集約する「国保の都道府県化」を行い、市町村が税率を抑えるために実施している一般会計からの「繰り入れ」を、市民のくらしの実態に目を向けることなく、画一的に、令和8年度までに完全に無くす計画を作らせ、市町村に、その実施を強いています。

 国民健康保険は、全国民が公的医療保険に加入し、必要な医療はすべて保険で給付する国民皆保険として、「誰でも」「どこでも」「いつでも」保険医療を受けられる、国民皆保険として確立しました。国保は、無年金者、年金生活者、非正規雇用労働者など低所得世帯が多数加入し、一人当たりの国保税は、協会けんぽの1.3倍、組合健保の1.7倍となっています。国保税には均等割があるため、子育て世代などは、協会けんぽとの保険料の格差は2倍にもなっています。

 全国知事会、全国市長会なども、加入者の所得が低い国保において、被保険者の負担は限界にきているとし、国に対し「一兆円の公費投入」を求めています。「持続可能な国保制度の確立」は、国庫負担を増やす以外、方法はありません。

 戸田市の令和4年度国保加入世帯は1万5927世帯。令和3年度と比較し658世帯減っています。また、国保被保険者数も、令和4年度は、2万3214人。令和3年度と比較し、1226人も減っています。令和2年度の戸田市の国保加入者世帯の所得構成は、「小規模事業所の従業員やアルバイト収入54.3%」「年金収入21.1%」「自営業・フリーランスの収入13.0%」「その他12.6%」となっています。さらに、令和3年度の、総所得200万円以下の国保加入世帯は64.08%となっており、被保険者間で税負担を調整し制度を安定・維持させることは出来ません。

 「地方自治の本旨」「自治体の条例制定権」を定めた憲法のもと、国保が「都道府県化」されていても、自治体が独自の公費繰入を続けることは可能とされています。戸田市は「保険者」として一般会計からの繰り入れを堅持し、市民の命と健康を守る自治体となるべきと訴え反対しました。