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行政視察。

P1040678 戸田市議会の市民生活常任委員会は、現在、自転車の安全利用に関する条例の策定に向け委員会審議を進めています。委員会審議を深めるため、平成19年4月1日に「取手市自転車安全利用条例」を施行した、茨城県取手市への行政視察を5日に行ないました。

 取手市は、市内の生活道路が都市計画や区画整理等による基盤整理がなされないままに発展してきた市街地が多く、道路幅員が4メートール未満の狭い道路が市道全体の大部分を占めていること。また、高度経済成長期以降ベットタウンとして発展。そのため、通勤・通学で最寄り駅まで自転車を利用する市民が多いこと。また、市内には高等学校が7校、大学1校あることや、通勤先となる会社企業までの駅からの交通手段として自転車を利用する方も多いこと等から、狭い生活道路に入り込む通過車両、自転車利用者の多さ等から自動車運転者・歩行者そして自転車利用者からも自転車を軸とした交通安全施策を望む声が強まり、「取手市自転車安全利用条例」の施行にいたったとのことです。 

 施行後の取り組みは、自転車利用者に指導・助言をすることができる『自転車安全利用指導員』として、11団体273名の方々を委嘱・任命し、春・夏・年末の全国交通安全運動、高齢者交通事故防止強調運動などでの啓発活動を実施しているとのことです。また、市内の幼稚園・保育園、小・中・高等学校での交通安全教室の実施はもちろん、特徴的な取り組みは、小学校児童に対する自転車交通安全教育の効果を高めるために自転車競技を通じて自転車の安全走行に関する知識と技能を身につけさせること等を目的に、『茨城県交通安全子供自転車大会』((財)茨城県交通安全協会及び茨城県警察本部主催)に毎年、市内の小学校1校を参加させているとのことです。この他にも、当市職員約30名で自転車部を立ち上げ、年2回のキャンペーンを実施し、自転車の安全運転に対するPR活動等も行っているとのことです。条例施行から5年が経過し、今後は、高齢者が被害者となる交通事故の発生が多いことから、高齢者対策を重点に考えていきたいとのことでした。

 自転車に係わる条例を制定している自治体の状況は様々ですが、どの自治体も「気軽に乗れる身近な自転車」の安全利用の啓発や交通安全対策には苦慮していることが分かりました。自転車の安全利用については、「行政まかせ」、「市民(利用者)まかせ」にしては解決しない問題です。行政と市民(利用者)が一体となって取り組まなくてはならない課題だと考えます。自転車の安全利用に関して、ご意見等がありましたら、ぜひお寄せ下さい。委員会では、市民の皆さんの意見も十分に反映した条例となるよう、委員会審議を進めていきたいと思います。