市民生活常任委員会視察。
戸田市議会の市民生活常任委員会は、今年度の委員会活動テーマを「安心・安全のまちづくりに向けた自転車条例について」と決め委員会審議を進めています。そして、戸田市版の「自転車条例」制定に向け委員会審議を深めるため、4月12、13日と京都府亀岡市の「亀岡市セーフコミュニティ推進事業」と京都市の「京都市自転車安心安全条例」の行政視察を行いました。
まず、「亀岡市セーフコミュニティ推進事業」の「セーフコミュニティ」とは、事故やけがは偶然に起こるのではなく、予防ができるという理念のもと、行政と地域住民など多くの主体の協働により、すべての人たちが安心して暮らすことができるまちづくりをすすめるというものです。これは、WHO(世界保健機関)が「世界中の人を健康に」という取組みを進めるなかで、日々の生活において「安全」が健康に大きな影響を与えることに着目したのが始まりとされ、亀岡市は、2008年に世界で132番目、日本初の「セーフコミュニティ」を取得した自治体となりました。現在、亀岡市は、「セーフコミュニティかめおか」として、「交通安全」「高齢者の安全」「自殺予防」などの7つの重要テーマを掲げ対策委員会を設置し取組みを行っているとのことでした。「交通安全」対策では、自転車安全利用教育による事故防止活動“ルール・マナーアップ”や参加・体験型シュミレータによる交通教室の充実などに取り組むことによって事故発生件数や事故負傷者数が減少しているのとの効果が出ているとのことでした。
京都市の「自転車安心安全条例」は、議員提案として議会に提出され可決されたものです。国内でも自転車に関わる条例を制定している自治体はありますが、ほとんどが執行部からの提案です。私たちも委員会からの条例制定を目指しているので、京都市の取り組みを学ぶべく行政視察地として選びました。 京都市は、世界有数の観光都市で観光客も多くレンタサイクルも普及していることや大学生が約14万人と学生のまちでもあり自転車利用者多いいこと、そして自転車が通る道が細いも関わらず商店街が密集していることから、自転車事故が10年間で3倍に増加し自転車事故での死亡率も10年前の8・6%から24・6%となっています。京都府内の自転車事故の約70%が京都市内で発生していることから市議会への相談や苦情が多く寄せられ、京都市の地域の特性をふまえた条例が必要とのことから条例制定に向けた取り組みが始まったとのことです。
まずは、商店街での聞き取り調査や京都商店連盟との懇談会、市民アンケートなどに取組み条例に盛り込むべき内容はどんなものが良いか、また、市民はどんな条例を望んでいるのかの調査を行ったとのことです。この他にも、先進市からの情報収集や行政担当者との意見交換なども行ってきたとのことです。京都市の条例では、自転車利用者また自転車貸出業者への損害保険への加入の義務を明記、また、小中学校はもちろん高等学校での自転車安全教育の実施の義務を明記しています。また、商店街を通行するときは必要に応じて自転車を押して歩くことなども明記しています。議会での議論では、「府にも同様の条例があり二重行政になるのではないか」などの意見が出されてとのことですが、結果、賛成多数で可決成立になったとのことです。
京都市を視察し、京都市という地域特性はありますが、どのまちにおいても自転車による事故が多発しています。京都市のように京都府に同様の条例があるから良いということではなく、しっかりと地域の特徴をとらえて、それらをふまえた条例を整備し、きめ細かく取り組んでいくことで市内での自転車事故、死亡事故を防いでいくことが必要と感じました。委員会では、すでに16日に視察の検証を行い、条例制定に向けたスケジュール等について議論を始めています。多くの市民の声を反映することができる条例を目指していきたいとおもいます。みなさんのご意見、ご要望などお気軽にお寄せください。
