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2014年3月定例議会終了。

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3月12日に閉会した、3月定例市議会。私は、日本共産党戸田市議団を代表し、2014年度予算に対する討論を行いました。

安倍政権による、消費税増税や社会保障の改悪(給付削減と負担増)などで、国民に約10兆円もの史上空前の負担を強いる安倍政権を強く批判し、市民の生活が一層きびしくなろうとしているとき、市民に一番身近な自治体が、くらしを支え守る施策を進めること、そのための予算編成となっているかを検証し、反対の討論を行いました。討論は以下の通りです。

 

2014年3月12日 日本共産党戸田市議団 【反対討論】

  日本共産党戸田市議団を代表し、議案第25号平成26年度戸田市一般会計予算に反対の立場から討論いたします。

 安倍政府の2014年度予算案は、消費税率を8%に引き上げ8兆円の大増税を国民に押しつけ、年金や医療、生活保護など社会保障の給付削減をはじめとする暮らしの予算を軒並み削減する一方で、大企業には減税の大盤振る舞いをするというものです。消費税増税で8兆円、社会保障の負担増と給付削減を合わせると10兆円という史上空前の負担増を国民に強いる、まさに、生活を破壊する予算案となっています。

【国民への負担増】

 消費税の増税は、低所得者ほど負担が重くなります。総務省の家計調査のデーターでは、世帯主の月給が17万円程度の世帯では、消費税率が8%になるだけで、約6万円(年間)の増税となり、一ヶ月分の給与の三分の一が吹き飛ぶことになります。

 年金は、昨年10月分(12月支給分)から1%の減額が実施されましたが、2014年4月分(6月支給分)からさらに0.7%の減額が実施されます。ひとり親世帯の児童扶養手当や障害者福祉手当、特別障害者手当などの給付も、年金に準じて0.3%減額されます。

 70歳から74歳の高齢者の医療費も、この4月以降、70歳になる人から、これまでの1割負担から2割負担に引き上げられます。

 生活保護においても、昨年から3年かけて、生活扶助費の引き下げ(3年間で最大10%程度)が実施され、今年も引き下げられます。

 このように、国の悪政によって市民のくらしが厳しさを増すことが明らかな時に、市民への負担を増やす、各種公共施設の使用料の引き上げ、消費税転嫁はすべきではなかったと考えます。

私たち日本共産党市議団には、「消費税増税はやめてほしい。生活していけない」「消費税があがったら、商売は続けられない」「年金が減らされ、生活が一層苦しくなった」「給料をあげてもらいたい」「正社員として働きたい」など、年代を問わず、様々な要望が寄せられています。

新年度予算においては、くらしていくことへの不安の声をあげている市民に対し、市民のくらしを支え守る立場での予算編成となっていたのかが問われるところです。

【平成26年度一般会計予算】

 平成26年度一般会計予算では、投資的経費において公共施設の再整備などが集中し、普通建設事業費32億円の増、前年比64.3%の増となっています。公共施設の再整備を否定するものではありませんが、市債が総額54億円で、前年度比118%の増、約29億円の大幅増となっています。建設事業が集中するなか、この3年間だけでも市の借金は116億円にも上っています。

市はこれまで、「財政の硬直化を招く」と市債を増やしてきませんでした。市債の大幅増は、将来の財政負担につながり、今後、さらなる経常経費の削減につながるのではないでしょうか?

また、このように集中した複数の公共施設の再整備は、市政運営上の予算執行においてバランスを欠く結果となっています。

平成26年度の新曽第一土地区画整理事業特別会計への繰出し金は、7億5100万円と前年度(14億1700万円)の半分に削減されています。市内で唯一遅れを取ってきた新曽地域の都市基盤整備促進は住民の悲願であり、2013年に見直し、変更した事業計画では2024年には事業が終了する見込みとなっており、今後、年間最低16億円の予算を必要とするとのことでした。今年度、公共施設の再整備への予算が集中していることにより、事業計画で示した新曽第一土地区画整理事業費が半減されたことによる本事業への影響は大きく、地域住民の生活設計にも多大な影響を及ぼすことになります。事業計画に沿った予算を確保すべきであったと考えます。

市の予算編成においては、全体の事業のバランスを欠くことのないよう望むものです。

 消費税増税に関わる問題についても述べておきたいと思います。平成26年度の予算では、消費税8%への増税が市財政に大きな影響を及ぼしています。地方消費税交付金では約2億5千万円の増額と見込んでいますが、歳出においては、約4億円の負担増を見込んでいます。消費税増税は、自治体財政を決して潤すものでなく、逆に様々な負担を増やすことになり、その結果、市民生活に負担を強いることになります。市にとっても市民にとっても多大な負担を押し付けられるだけで、市民生活も自治体運営も危うくする、消費税増税には、議会が一丸となって反対の声をあげるべきであったと考えます。

【平成26年度一般会計予算 その他の反対点】

 次に、平成26年度戸田市一般会計予算中、反対や指摘した他の項目について述べたいと思います。

 まず、議会費における「海外派遣旅費」です。平成26年度も、『行き先』も『参加目的』も定まっていないなか予算計上されております。このような予算計上は認めるわけにはいきません。

 次に、諸費における特定同和団体主催の研修会への参加です。平成25年度は、宿泊が9回、日帰りが14回の合計23回の研修会等に参加しています。他の研修会参加に比べても尋常ではない回数です。同和に偏った人権行政の推進は、同和問題を固定化させます。よって、同和団体主催の偏った研修会等への参加はやめるべきです。教育費、社会教育総務費の人権教育事業における研修会への参加も同様、見直し等を行うことを求めます。

 次に、公有財産管理費の軽費老人ホーム確定敷地測量業務、土地鑑定評価業務です。まず、白寿荘の跡地は、約3500㎡と広大な市の貴重な土地であり、やはり、売却は行うべきでないと考えます。「白寿荘」の跡地売却において、市長の施政方針では、「工業系用途地域における工場などの新設や増設」とのことでしたが、党市議団の総括質問の答弁では、「子育て支援や健康長寿のまちづくりに寄与できるような企業を誘致するなど、福祉サービスの充実を視野に入れた公有地売却を行ってまいります」とでは、誘致する業種が異なってきます。わずか10日あまりで変わってしまっては、なおさら賛成することは出来ません。

 次に、財産管理費の市民講演会事業についてです。後で指摘をさせて頂きますが、職員削減、コスト削減ありきの「戸田市公共施設再整備方針(案)」等の内容に基づき行われる、市民講演会は問題があると考えます。市民に対し、公的責任をしっかりと果たしていくということを踏まえた、市民講演会となるよう望むものです。

 次に、公立保育園運営費についてです。公立保育園の保育士の人員配置について、公立8園合計で定員に10名の不足があるとのことであり、臨時保育士も十分に確保できず、新年度も派遣保育士が10名以上となるとのことです。しかし、派遣では短期間の雇用となり戸田市の公立保育園で勤務した経験を蓄積させることは出来ません。保育需要が高まる中で人材の確保は一層の困難が想定されるため、市のこれまでの保育に関する人事政策を見直し、正規職員の増員と臨時職員の待遇改善を図るべきです。

 次に、学童保育費についてです。学童保育の受入学年を小学4年生までに拡大したことは評価するものですが、対象学年の拡大により、当初から、10名の派遣保育士で対応させることは、保育園と同様に問題があると考えます。

 次に生活保護費についてです。戸田市も3年連続の扶助基準額の引き下げを実施します。最低生活費の十分な議論なしに切り下げることは、弱者へのしわ寄せが大きくなります。また、消費税が上乗せされても基準額が削減されることには変わりがなく反対するものです。

 次に、重度心身障害者医療費支給事業における、県の制度改悪についてです。県は2015年から65歳以上の障がい者を補助対象から外す方針を示しています。戸田市においては毎年150名程度が65歳以上で障害者手帳の取得をしており、これらの方々が制度から外されることになり、大きな後退となります。市として、負担を軽減するための何らかの対策をとるよう求めるものです。

今後、予算編成のバランスを欠くことないよう、戸田市の県下一の財政が、市民のくらしに生かさされる事を強く求めるものです。

【要望】

最後に、3点について要望を述べたいと思います。

 1点目は、収納推進室の収税業務についてです。初めに、滞納整理にあたっては、「納税者優位」の立場から、県内、ほぼすべての自治体が実施している本税優先の充当を、市の滞納整理業務においても実施するよう業務改善を強く望みます。税の延滞金の減免の「要綱」の運用については、必要な方に適切に運用されることを改めて求めるものです。

債権回収における差押えについてですが、債権は、保育料、給食費など多種多様であり、より一層の丁寧な対応が求められると考えます。差し押さえを実施することで、市民が生活困窮に陥ることのないよう、差し押さえ前の相談業務をしっかりと行うよう求めるものです。

 2点目は、保育園行政についてです。待機児解消については、保育園の新設や家庭保育室保育料助成の増額などの努力をして頂いているところですが、引き続き、対応を求めるものです。また、民間保育園に対する保育水準確保のための監督・指導援助の強化を望むものです。

 最後に、「戸田市公共施設再編方針(案)」について一言申し上げます。「戸田市公共施設再編方針(案)」では、図書館・郷土博物館、福祉保健センター、介護老人保健施設、市民医療センターへの指定管理者制度の導入、市営住宅・公立保育園の運営から撤退、公立小中学におけるPPP等の民間活力の導入など、市が、ありとあらゆる公共施設の運営から身を引き、民間へと移行させることを定めています。

 自治体の民間化、アウトソーシングは、自民党政権の新自由主義改革のもと、「官から民」を合言葉に、PFIや指定管理者制度などの仕組みが作られ、民間の活力を生かせば、すべてうまくいくと、全国の自治体に強力に推進されてきました。

しかし、全国で、指定管理者制度の指定取り消し、業務停止、期間満了取り止め等が激増しているなか、自治体民間化のアウトソーシングではなく、行政サービスを直営に戻す、インソーシングの動きが出てきています。

 今後の戸田市の公共施設のあり方については、多角的な見地から調査、検討を行い、市民サービスの向上や安全性の確保をめざし、公的責任をしっかりと果たせる運営となるよう強く望むものです。そして、職員削減、コスト削減ありきの「戸田市公共施設再整備方針(案)」の見直しを求めるものです。

以上をもって、議案第25号平成26年度戸田市一般会計予算に対する反対討論と業務執行に対する要望といたします。